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  • 助産師 近藤

もしも、我が子が医療従事者になりたいと言ったら


 私は助産師という仕事が大好きです。大変なことや辛く苦しいことも、たくさんあったけど、それでも、本当に、助産師という仕事に誇りを持って働いているし、日々、心の底から助産師になって良かったと感じています。


 先日、知り合いの方のお嬢さんが看護師として働いている病院が、コロナ患者さんの受け入れ病院になり、お嬢さんの働く病棟が受け入れ病棟になったと聞きました。その通達を聞いたとき、知り合いの方は、まるで、戦時中の召集令状、赤紙が届いたような気分だったとおっしゃっていました。


 私とそのご家族とは、お嬢さんが中学生くらいの頃からお付き合いさせていただいています。お嬢さんが、お母さんの背中を追うようにして、医療の道に進むと聞いた時、私は、ちょうど、仕事が忙しく、なかなか子どもとの時間が取れないもどかしさに悩んでいた頃だったので、いつか、うちの娘も、そんな風に私の仕事を理解し肯定してくれる日がくるのかなぁなんて、希望のような気持ちを頂いたのを覚えています。


 今日、コロナ患者さんを受け入れた病院の殆どが赤字に陥っていて、スタッフは心身ともに疲弊しきっているとニュースで流れていました。命がけで戦っているのに経営困難に陥いってしまう、、、感染を広げないために家族とも会えなかったり、差別を受けたりまでしているのに、、、。


 もしも、我が子が、今、将来を決めるような年齢だったとして、志高く、医療従事者になりたいと、本気で夢を語り出したら、私は、心からその夢を応援できるのか、、、。少なくとも、以前抱いていたような、希望に満ちたような思いよりも、それとはとてもかけ離れた重たい気持ちが大きく生まれるだろうと思います。


 私が医療の道へ進みたいと母に伝えた時、母は一度だけ、大変な仕事だからと反対しました。だからこそやりたいのだと言った私に、母は、それ以上は何も言わずに応援し続けてくれましたが、今、あの時の母の気持ちが、少し分かる気がします。


 我が子には、いつだって、ほんの少しだって危険な目にあってほしくない。危険に身を差し出さないで欲しい。健康でいて欲しい。願いはそれだけのことなのだけれど、これが戦時中だったら、私は、非国民と言われて村八分になるのでしょうね。コロナ禍では、どうでしょうか? 


 どうか、せめて、これ以上、高尚な志、使命感、優しさが、搾取されない世の中になりますように。

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